メルボルン国際アートフェアを終えて

8/29〜9/1の4日間、オーストラリア・メルボルンで開催された AFFORDABLE ART FAIR MELBOURNE に参加させていただきました。

スタンド/ギャラリーネーム:MAYUMIINTERNATIONAL

スタンドNO: A8


そもそもなのですが、今回の参加の経緯をひと息で説明すると、『日本人アーティストを海外へ発信しているMayumi International様というマネージメント会社様にここ数年、海外での出版や展示でお世話になっていたのですが、去年マユミさんの展示に参加させていただいた際に金賞に選んでいただき、その副賞として、今回の国際アートフェアに招待していただきました』という流れでした。

なので正直ちょっとよくわからず、ありがたいので嬉しいです!という気持ちだけで参加させていただきました。

もちろん現地に行けるわけもなく、ただただ期日に間に合うように、アトリエとも呼べない小さな机の上で絵をを仕上げ、何日かかるのかもよくわからない国際便で絵を届け、いつもの日常を送っていました。

私の変わらない日常を送っている間、絵は飛行機に乗ってオーストラリアへ旅立ち、現地の郵便屋さんが運んでくれて、現地の関係者の元に届き、誰かの手によって壁にかけられ飾られる。
なんとも不思議な話だなぁと思うのです。

国際アートフェアについては全く無知での参加でしたが、蓋を開けてびっくり。
厳かな建物の中に、色とりどりのアート作品が所狭しと飾られていき、多くの関係者の方々とたくさんの来場客の方で会場がどんどん華やかに。
調べてみたら、会場はメルボルン王立展示館というところで、世界文化遺産に登録されているそうです。
私の絵、とんでもないところに旅に出たな。。

魅力的なアートの数々、大きな作品たちがずらり。SNS越しにもそんなエネルギッシュな作品たちのパワーが伝わります。そんな中、私の作品はA3ほどの作品1点のみ。もはや誰にも見つけてもらえないかも。。
そう思いながらも、ここに参加できた喜びを噛み締めて、変わらぬ日常を過ごしていました。

とんでもないところに旅立った私の作品

『農道 farm road』

※作品については2つ前のブログでも紹介しています。


SNSで会場の様子があがるたびに、ひとまず私の絵は飾られているのかの確認。
2日目くらいでようやく自分の作品を写真上で見つけ、ほっとしました。

あっという間の4日間の会期を無事に終え(私は何もしていないですが。)しばらく経ってから、マユミさんから報告の連絡をいただきました。

内容は私の作品を購入くださった方がいたという連絡でした。あの会場で目を留めてくださった方がいらしたなんて!
若いご夫婦が選んでくださったそうです。特にご主人が気に入ってくださったとのこと。

また私の知らないところで新たなストーリーが生まれている。本当は目の前でお会いしてありがとうと伝えたいけれど、SNSで繋がりたいけれど、この距離感も時差も文化の違いも、なんだかすべてが不便で歯痒い。

そう思うのですが、でも、それと同時にとてもロマンチックだなぁとも感じます。
見えないからこそ、繋がれないからこそ想像力を掻き立てられ、より素敵な物語になるような。
海外展示の魅力ってこういうところかもしれないと思うのです。まさに一期一会。


絵に描いた動物たちは、田んぼのそばで暮らす私たち。そこにはいつもと変わらない日常が流れていて、田んぼはその背景として、広く静かに広がっている。
目まぐるしい毎日の中ではなかなか目に入らないけど、ふと立ち止まった時や車窓から目に入る田園風景は、水面が光ったり、夕暮れを映して赤く染まったり、明るい緑色で染まったり、風が吹いて草の波が立ったり。四季折々に表情を変えるその姿から優しい豊かさを覚えます。
日本の大切にしたい原風景、海外の方へどんな風に映ったのだろう。


9月、新潟は稲刈りの時期です🌾
この絵には描けなかった黄金色の稲穂たちがたわわに実り収穫が始まっています。



数年前、マユミさんから初めて連絡をいただいた時は私も本当の駆け出しで、全てが半信半疑でした。何の勝算も確信もなかったけれど、海外に向けてやってみようと背中を押してくれたのは、わくわくする!という自分の直感と勢いでした。
そしてその行動によって撒かれた種は時を経て芽吹き、小さな実を実らせたのだから、人生の選択っておもしろい。
海外の方のアートを楽しむ感覚、さらには私の作品への感じ方を垣間見れたこと、そしてご購入いただけたことは私にとってこのまた先の未来へ繋がる大きな収穫でした。


また明日からも日常は続きますが、未来へ向けての種まきは楽しみながら続けよう。
きっとその繰り返しで未来は少しずつ変わっていく。ずっとほんのりそうだろうなとは思っていたけれど、やっぱりそうなんだよね、と確信に変わってきている今日この頃です。